コイルのリアクタンス~導入~

コイルの成分はインダクタンスと呼ばれており、電線を円形に何回もまいたコイルの電気的な性能を表す言葉です。実際のコイルはただ単に円形に電線を何度も巻いたものだけではなく、鉄やフェライトなどの磁性を高める材料(コア)に巻き付けたものです。またその他に2つの巻き線を利用したトランスなどもインダクタンスとなります。

ここで抵抗の電気的機能は「R[Ω]オーム」で表され、コンデンサの電気的な機能は「C[F]ファラド」で表される様に、コイルはインダクタンス「L[H]ヘンリー」で表されます。コイルは電流を流すと磁場が発生します。インダクタンスのLはその磁場の強さを表しています。

このコイルに交流電圧をかけると、そのインダクタンスによって度合いは異なりますが、電圧よりも、電流が遅れて出てくる現象が現れます。簡単にイメージをするならコイルによって電流が押し戻されているイメージをすると分かりやすいのではないでしょうか。

誘導性リアクタンスの計算式EXCELフォーマット

上記の誘導性リアクタンスの計算式のプログラムをエクセルの標準モジュールへ記入し、関数として使用できるフォーマットは下記よりダウンロードいただけます。

誘導性リアクタンスの計算式フォーマットダウンロード

誘導性リアクタンスの計算式フォーマットサンプル画像

コイルによる電圧と電流の関係

コイルによって電流が押し戻されているイメージとはどの様なものであるか、下記に簡単なイメージを示しておきます。下の図はサイン波形の位相がコイルのインダクタンスにより電流だけ90°遅れている場合の図となります。

このとき、特性のひとつとして電流はインダクタンス「L」や交流の周波数が小さいほど大きくなり、また印加する電圧が高いほど大きくなります。

ここで上記を踏まえたうえで、コイルから出てくる交流電圧Vと電流Iの関係は下記の様な式で表現することができます。

変数 詳細
I 電流[A]
V 電圧[V]
j 虚数(今回の場合位相というイメージ)
π 円周率≒3.14
周波数[Hz]
ω 角速度[rad/s]=2×π×f
L インダクタンス[F]

上記の式は電圧と電流のみではなく、位相を含めて表現している形となります。

コイルのリアクタンス

ここで、上記の式を電圧Vと電流Iの比となる様に変形すると下記の様になります。

となります。

この時の電圧Vと電流Iの比である「V/I」がリアクタンスと呼ばれています。ここで式を見ていただければわかると思うのですが、電流と電圧の関係がしめされるものであることから、通常のΩの法則「V=RI」つまり「V/I=R」と同じかたちとなっていることがわかります。

この

が通常電気抵抗を表す「R」とにた様な意味をもちますが、実際は電流、電圧と位相を含めた疑似的な抵抗を表し「X」の記号が用いられ、単位も抵抗と同じ「Ω」を使用します。ただしあくまで疑似的な抵抗を表し抵抗の様に電力を消費することはありません。

このXの前につく符号が「-」の場合は電圧に対し電流が進む状態を表し、Xの前につく符号が「+」の場合には今回の様に電圧に対し電流が遅れる状態を表します。電流が進む場合については別途コンデンサのリアクタンスで説明いたします。

コイルのリアクタンス計算式のまとめ

コイルのリアクタンスは誘導性リアクタンスともよばれていますが、その誘導性リアクタンスであることをわかりやすくするために「X」に「L」をつけて区別することが多いです。ここでいままでのまとめとして誘導性リアクタンスの計算式を記載しておきます。

変数 詳細
XL 誘導性リアクタンス[Ω]
Z インピーダンス[Ω]
R 抵抗[Ω]

とすると

となります。

そして通常、インピーダンス「Z」は

の形であらわされ、誘導性リアクタンス(コイルの場合)にはこの「XL」はプラスの符号となります。

誘導性リアクタンスの計算プログラム

誘導性リアクタンスの計算を簡単に行うことができる様にコードを作成しましたので参考までに掲載しておきます。

変数 詳細
L1 コイルのインダクタンス[H]
Hz 交流の周波数f[Hz]

※下記のコードで「VB2013」にて誘導性リアクタンスの計算を行えます。

Public Function lreact(L1 As Double, HZ As Double) As Double
If L1 <= 0 Then
lreact = 0
ElseIf HZ <= 0 Then
lreact = 0
Else
lreact = 2 * System.Math.PI * HZ * L1
End If
End Function

※EXCELの標準モジュールへ下記をコピペしていただくと、エクセルの関数としても利用できます。

Public Function lreact(L1 As Double, HZ As Double) As Double
If L1 <= 0 Then
lreact = 0
ElseIf HZ <= 0 Then
lreact = 0
Else
lreact = 2 * Application.WorksheetFunction.Pi * HZ * L1
End If
End Function